【結論】若者にお金が無いのは事実か?-データから紐解いてみた

私は20代ですが、皆さんも必ず耳にしたことがあるこのセリフ。

最近の若者は、お金を使わないな!!
我々、若者サイドの反論としては、

収入は少なくて、税金も上がる一方で、車や時計なんかに金かけられないっての
果たして、この論争に結末はあるのか。統計データを元に考えて行きましょう。
最初に結論をまとめておくと
  • 20年前と比べ年収は大きく下がっていない
  • ただ、社会保険費が上がり、手取りが下がっている
  • 手取り減少分を支出を減らすことで対応
  • 節約したら、なんか怒られてる。という流れです。

 

  • 年収の推移

 

年収は、国税庁の「民間給与実態統計調査」を引用します。

民間の労働者の給与情報を参照する際に最も基本になる指標です。

従事員1人の事業場から従事員5千人以上の事業場まで広く調査しており、信頼性は十分にあります。

1999年-2017年までの、20代前半と20代後半の年収の推移はこちらです。

 

 

2008年のリーマンショックで、給与は落ちたものの、2013年以降のアベノミクス期間には、リーマンショック以前の水準まで回復していることが分かります。

とはいえ、20-24歳では、2000年前後の水準には達しておらず、現在の40代が20代の頃よりは、年収の平均は低いと言えます。

25-29歳では、2000年前後と同水準まできています。

 

  • 年収は、ずっと右肩下がりという訳ではない。
  • リーマンショック以前の水準まで回復している。
  • 今の40代が、若者だったときの年収に及ばない。

 

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手取りの推移

 

  • 手取りの推移

 

年収は、差が把握できたので、より重要な手取りを確認しましょう。

手取りは、以下で計算できます。(実際には、雇用保険・40歳以上で介護保険があります)

 

手取りとは
手取り=額面(年収)-(健康保険+厚生年金+所得税+住民税)
社会保険が引かれて、手取りは悲しいことに・・・
給料明細を見るたびに、「引かれすぎてない!?」となりますよね。
  • 社会保険料の推移

 

額面の水準が一定であっても、引かれるものが多ければ、実際に使えるお金は減ります。

社会保険料(従業員負担)の推移は、内閣府「税制調査会」からの引用です。

 

平成元年で8.95%だった負担が、平成26年には、14.92%まで上昇しています。
社会保険料等を考慮して、手取りを概算で算出してみると、以下の推移になります。
25-29歳では、年収は同水準だったのに手取りは、下回っていることが分かります。
比較したグラフはこちら。
額面では、今の40代と同水準でしたが、手取りで見ると大きなギャップがあることが分かります。
給料は横ばいなのに、引かれるものだけ増えています。
月当たりの手取りで比較すると、分かりやすいですが、
手取り 20-24歳 25-29歳
2000年 18.6万 25万
2005年 16.9万 23万
2010年 17万 22.7万
2015年 16.5万 23.3万
2017年 17.1万 (-1.5万 *2000年比較) 23.8万 (-1.2万 *2000年比較)
毎月当たり、約1.2~1.5万の手取りが減っています。

その他の支出に関して

 

2019年には、消費税が10%となり、支出に関しても、過去に増して厳しくなっています。

消費者庁の調査「若者の消費支出について」を引用すると。(30歳未満の単身世帯)

 

 

 

2000年に比べ大きく下がっています。

特に2010年以降が大きなターニングポイントとなっています。

このデータを元に、「手取り-支出」の概算をしてみます。

 

手取り 支出 残り
1999年 22万 17.5万 4.5万
2004年 20.3万 17.4万 2.9万
2009年 19.3万 17.6万 1.7万
2014年 19.5万 15.9万 3.6万

 

 

面白い結果となりました。

1999年と比較すると、2014年手取りは下がっているものの、支出を抑えることで、残り(貯蓄)を確保していることがわかりました。

 

 

 

手取り 支出 残り
1999年 22万 17.5万 4.5万
2014年 19.5万 (-2.5万) 15.9万 (-1.6万) 3.6万 (-0.9万)

 

現在の20代は、20年前の20代と同じように貯蓄する為に、支出を削減していることが分かります。

手取りが減っている分を、支出を減らして貯金を確保しようとしています。

ここで、一度結論を書いておくと。

 

今の20代は
年収は20年前と大きな差はないが、社会保険等の増加による手取りの減少は大きい。
20年前の20代と貯金額の指向性は大きく変化していない。
一定の貯蓄額を確保する為に、支出を削減している。(それでも、20年前の水準に達しない。)
つまり、今後
「今の若者は、お金を使わない!! 何に使っているんだ?」と聞かれたら、
「社会保険料に使っています!!!!!!!!!」と回答しましょう。

支出減の内訳

 

次は、支出減はなぜおきているのかを紐解いて行きましょう。

 

  • 物価上昇率
日本がデフレで物が安くなっているとしたら、自動的に支出減となりそうですが、2000年以降はほぼ横ばい、若干の上昇程度です。
物価は大きく変動しておらず、具体的に何かの支出を削減していることがわかります。
何を削減しているのかを解説します。
  • 支出減の内訳

 

データの引用は、消費者庁の「若者の消費支出について」wを用いています。

 

  • 家賃

 

人口減少で家賃は減っているのかと思っていましたが、じわじわ値上傾向であることが分かりました。

 

 

 

  • 自動車・酒・洋服

 

良く娯楽に数えられる3つの支出の変化を確認してみます。

 

 

いずれも、右肩下がりであり、

「酒を飲まない!」という上司のセリフは、間違っていないことが分かります。

また、支出を抑える目的のみでなく、「公共交通の発達」等の社会的な理由も後押して、車離れが進んでいるとも考えられます。

 

  • 食費

 

涙ぐましいですが、食費の減少額が群を抜いていました。

 

 

具体的には、食費の外食が大きく減っており、反対に素材の購入費は上がっており、現在の若者は、20年前に比べ自炊をしていることが分かります。

 

支出をまとめると

支出まとめ
家賃は上昇しているものの、嗜好品の消費は下がっている。
また、外食費を減らすことで食費を抑えている。

消費行動の社会的背景

 

  • 不況と言われ続けて育った若者

 

今の20代は生まれたときから、「雇用不安」「経済の低成長」「終身雇用の崩壊」などを親から言われて育った世代です。

 

これは、日本経済は1990年代前半にバブルが崩壊し親世代が、「経済不安を目の当たりにした世代」であるからということは想像に難くないでしょう。

 

その世代が、2008年にリーマンショック・2011年に東日本大震災を経験しました。

そして、手取りはリーマンショック以前の水準を目指しての回復基調でしたが、これらの衝撃的な出来事を経験し、

将来への不透明感から、金融資産を確保することで将来への不安に備えていると言えるでしょう。

 

(手取りは回復しているが、支出は抑え傾向)

 

 

  • 年金の不透明感

 

2000万問題を筆頭に、老後の生活への不安感が今の若者には強いと思われる。

現時点で給付されている人よりも、少子高齢化がより進行する将来に、もらえる額が減るのは間違いないと言われてます。

公的年金を当てにした、老後の生活は、今現在ですら破綻しており、自分の努力で老後に備えることは、必須であると今の若者たちは理解していると思われます。

そもそも、年金だけで生活できないのは、昔も今も変わらないと思いますが。。高齢者が政府に対して、「年金が少なくて生活できない」というのは、その人が老後に向けた供えが出来ていなかった、年金制度への理解が足りない、愚か者だったというだけです。

そのような、高齢者を見るたびに、今の若者は反面教師のごとく「資産を増やそう」となる訳です。

 

変わる社会保障

 

その他の日本社会を取り巻く環境を確認すると、もっとも大きな問題は「少子高齢化」が筆頭に上がります。

今の若い世代が、手取りが減る中で、今の20代が「どうなれば、子供が欲しいと思えるようになるか」という問いに、1位、2位が下記です。

 

  • 将来の教育費に対する補助
  • 幼稚園・保育所などの費用の補助

 

これらを受けて、3つの教育無償化も始まっています。

  • 幼稚園・保育所の無償化(3~5歳児)
  • 高校無償化
  • 大学教育の「給付型奨学金」の拡充

 

我が家も、子供がいますが、幼稚園・保育園の無償化で、共働きに戻りやすい恩恵を受けています。

社会保険料は増加していますが、その分子育て世代への支援も広がってきていることも感じます。

 

まとめ : 今の若者は収入が減った分を支出を減らしてカバーしている

 

今回、「若者はお金が無いのか」を考察してきましたが、

手取りが減った分、支出を減らしている

という結論でした。

社会保険費が高くなる一方で、少子高齢化への対策も進んでいます。

ですが、老後へのビジョンは決して明るくなく、今後も「若者の倹約志向」は続いていくと考えられます。

将来への自助努力としては、金融庁が勧める「NISA・つみたてNISA」制度や、副業解禁など若いうちから

実践できること(若いからこそやるべきこと)が沢山あります。

現在の若者は、高齢者の「年金を増やせ」なんていう意見を見て、ドン引きしている世代だと思います。

将来、自分がその立場にならない様に、今から出来ることを始めていくことが重要です。

 

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